電圧可変型レギュレータの保護について
改めてトランスタイプの可変電源を作ろうと色々と調べてましたら良い資料が見つかりました。ちょっと古いのですが参考になりましたので。LM338電圧可変型レギュレータアプリケーションヒントより
外付けコンデンサ
入力バイパス・コンデンサの使用が推奨されます。ほとんどのアプリケーションに対して 0.1μF のセラミック・コンデンサまたは 1μFの固体タル・コンデンサを入力に接続するのが適切なバイパス法です。このデバイスは出力端子にコンデンサを接続しているとき、入力バイパスされていないと動作が不安定になりますが、上述のコンデンの付加により問題を解決できます。
ADJ 端子をグランドへコンデンサでバイパスすることによりLM338のリップル除去率を改善することができます。このバイパス・コンデンサは出力電圧の増加とともにリップルが増幅されるのを防ぎます。10μF のバイパス・コンデンサによって、任意の出力電圧において 75dB のリップル除去率が得られます。120Hz 以上の周波数においては20μF以上に容量値を大きくしてもリップル除去率はそれほど改善されません。バイパス・コンデンサを使用する場合、コンデンサが IC 内部の低電流パスを通して放電し、デバイスが破壊されるのを防ぐために保護ダイオードが必要になる場合があります。
一般に最適なコンデンサは固体タンタル・コンデンサです。固体タンタル・コンデンサは高周波においても低インピーダンスを保持します。コンデンサの構造により、1μF の固体タンタル・コンデンサと高周波で等しい効果を得るには約 25μF のアルミニウム電解コンデンサが必要です。セラミック・コンデンサの高周波特性は良好ですが、種類によっては 0.5MHz 付近の周波数においては容量値が大きく減少することがあります。このため、0.01μF のセラミック・コンデンサは 0.1μF のセラミック・コンデンサよりもバイパス・コンデンサとして機能が優れていることがあります。LM338 は出力コンデンサがなくても動作が安定しますが、多くの帰還回路と同様に、外付けコンデンサのある値によっては大きなリンギングを発生する可能性があります。リンギングは 500pF ~5000pF の間の値で発生します。出力に 1μF の固体タンタル (または25μFのアルミニウム電解 )コンデンサを付加することによってこの問題が抑制され、動作が安定します。
保護ダイオード
ICレギュレータに外付けコンデンサを接続するとき、IC 内部の低電流ポイントを通じてレギュレータへコンデンサが放電するのを防ぐために保護ダイオードを付加する必要がある場合があります。20μF のコンデンサのほとんどは内部直列抵抗が十分小さいので、短絡したときに 20Aものスパイク電流が流れます。このサージは短時間しか発生しませんが、IC の部品を破壊するのに十分なエネルギーがあります。出力コンデンサがレギュレータに接続されていて、入力が短絡されたとき、出力コンデンサはレギュレータの出力へ放電します。放電電流はコンデンサの容量、レギュレータの出力電圧、および VINの減少速度によって変わります。LM338 では、この放電パスに対し 25A のサージ電流を問題なく流すことができる大きな接合部を持っています。他のタイプの正電圧レギュレータではこのようには動作しません。100μF 以下の出力コンデンサで、出力電圧が15V 以下の場合、ダイオードを接続する必要はありません。ADJ 端子に接続されたバイパス・コンデンサは IC 内部の低電流の接合部を通じて放電する可能性があります。入力または出力のいずれかが短絡されたときに放電されます。LM338 の内部には、50Ωの抵抗があり、これによってピーク充電電流が制限されます。出力電圧が 25V 以下で容量値が 10μF の場合保護ダイオードは不要です。出力が 25V 以上で出力コンデンサの値が大きい場合に使用する、保護ダイオード付きの LM338 の応用回路例を 下記 に示します。
コンデンサーの容量は?保護用のダイオードは必要かなどの疑問に思っていたことがよくわかりました。