PreAmp U/V

はじめに

144MHz,432MHzのプリアンプ数が増えてきましたので1ページにまとめて見ました。最近の傾向はANT側に同調回路を入れないタイプが多く、ガリヒソのFETからMMIC(Monolithic microwave integrated circuit)に代わっているようです、また出力側にATTが入っているものが多いようです。と言うことは送信と受信のケーブルを別にし直下にPreが付けてある場合は受信用同軸ケーブルに低損失の太いケーブルを使う必要がないことになりますがオーディオのようににケーブルによる差があるのでしょうか?HFでも差があるという方もいますが。
このページではEME用に中心周波数144.2MHzで帯域500KHzでベストなPreを作ることを目標としています(435MHzもありますがEME用です)。BPFも実験していますが受信用です(50W程度でしたら送信も問題ないと思いますが)広帯域AMPですとノイズや他の無線を増幅してしまう事がありますので

下に行くほど基本は新しい記事です。

1. GaAsの144MHz自作プリアンプ 1980?



マキ電気のケースに入れたGaAsの自作プリ30年ぐらい前に作ったものです、出力側はアミドンのコアーに巻いたトランスです。同調回路は入力側1段です。GaAsFETは友人からもらったNECの2SK280だったと思いますGAIN23db、出力側にも同調回路を入れていたのですが安定性を増すためにトランスに変更しました。当時は友人のNFメーターで調整したのですがデータが残っていません。
2SK280のデータが出てきましたX-Kuバンド低雑音増幅用、データを見ますと4GHZでGa17db NF 0.7dbとなっています.

2. 川越無線の144MHzプリ アンプ  2015/09/08



川越無線のプリです2016年購入、NFは0.02と言われましたがそんなに低いことがあるのでしょうか?。高帯域Ampです、中を見ると2段増幅です。50MHzスパンで見るとまったくフラットです、Gain20dbありますのでトランシーバー側でATTを入れて使用していました。

3. コスモウェーブPGA103+使用144MHzプリアンプKIT  2016/12/19



回路を見ますと入力側には同調回路はありません、430MHz用にトラップが付いていますあと保護用スイッチングダイオードが付いています、出力側に3段のBPFが付いています。KitはBPFの真ん中のコイルのCが不足のようです、2PF足して同調がとれました。ケースはプリント基板で作りました磨いてクリアーラッカーを吹き付けて完成です、Gain16db
スペアナのスパンは左が288.24MH右は50MHzです。NFは入力側の調整で決まりますがこのPreは調整がありません、さてどうでしょうか?F1JKY局のデータを見ますと調整なしでも145MHzでNF0.5、Gain25dbとなっています、PGA103+(E-PHEMT)は使いやすいディバイスのようです、eBayでオーダーしてありますので来たら色々な周波数のPreを作って見たいと思います。Ampの回路は実に簡単です、BPFを別に作ってIN側に入れたりOUT側に入れたりと実験できそうです。
PGA103+のデータはこちら。GaAs pHEMT MMICSPF-5189Za,bの置き換えようにと書かれています。

     
ディバイスはPGA103+(MMIC)は2mではGain24db NF0.5前後のようです。入力には430MHZのトラップはついていますが同調回路はなく出力側にBPFが付いています。入力側に調整するところがありませんのでNFは良い値がでそうですが?ネットで検索するとG4DDK, HB9AFO, WA5VJB, F6FKN, F1JKY, F6BVA, F4EMY.の皆さんが実験しています。
Minicircuits社のMMIC PGA103+の主な特徴
* 3〜5Vの供給
* NF:145 MHzで0.5デシベル
* Gain:145 MHzで24デシベル
* 145 MHzでIP3 33 dBm
* 50オーム入力
* 50オーム出力
* 4 GHzまで使用可能

4. PGA103+使用自作430MHzプリアンプ  2017/01/09




eBayでオーダーしてあったPGA103+(E-PHEMT)がギリシャから届きましたので早速Preを作ってみます。
基板は1.6mmガラエポ(3cmX3cm)パターンは小形ルーターで削りました、裏面とは1mmの穴を明けメッキ線をハンダ付けです。
最初は広帯域AMP、スペアナで見ますとGainは特に大きなデコボコもなく周波数が高くなるほど落ちますが予定どおりです、出力側にBPFを入れて430MHz専用にしようとケースに入れ真鍮版でJohansonのトリマーを使い2段の同調回路を入れて見ました。GAIN15db



同調回路の取り出しをタップに変更、コイルとコイルはヒゲに変更しました、帯域が広がりましたがGAIN18dbになりました。入力コネクターを同軸リレーに直に取り付けるためN型オスに交換しました。(03/05)

5. RA3WDK 2mプリアンプ AMP(SPF5189z)  2017/01/14




RA3WDK局から購入したPreをケースに入れて出力側に1段のBPFを入れて見ました、スペアナのスパンは288.24MHzです。このPreはディバイスにSPF-5189z GaAs pHEMT MMICを使用しています。出力側には5dbのアッテネーターが入っています。結果は周波数特性はHB9AFO局のデータとほぼ同じでした、Gain20db

SPF-5189z GaAs pHEMT MMIC Specifications
• Ultra-Low Noise Figure=0.60dB at 900MHz
• Gain=18.7dB at 900MHz
• High Linearity: OIP3=39.5dBm at 1960MHz
• P1dB=22.7dBm at 1960MHz
• Single-Supply Operation: 5V at IDQ=90mA
データーPDF

 

6. 2m自作Pre AMP(PGA103+)  2017/01/15




昨日のBPF1段だと切れが悪く2段のタイプの実験をすることにしました、ディバイスはPGA103+を使用しました、周波数特性GAINともに満足のいく結果となりました。中心周波数はEME用に144.12MHzです。回路図は先日の430MHzPreとほぼ同じです。BPFのLは6mmのドリルの刃に7回巻き、線は秋葉原のオヤイデ電気で購入した1mm銀メッキ線透明のビニール被覆が付いてます、LとLのカップリングは0.5PF、出力には4PFのトリマーを使用しました。真鍮版は2cmの帯を切り出して万力に挟んで曲げる方法が一番きれいに出来ました。キャビティーはネジ2本でケースに固定、基板は入力コネクターとキャビティーにハンダ付けしました、特にアース側のハンダ付けは大事です接しているところは全てハンダ付けします、Gain20db
1.6mmのガラエポ基板はエッチングではなくホビー用の手持ちのルーターで削っています、最近はチップ部品になりましたので島を作っていきます、必要な場合には島と島を配線します。作るこつは1つ1つの部品の大きさをよく考えて島を作ることです、チップのコンデンサーや抵抗並べると結構な大きさが必要になることがあります。

7. HA8ET 144 MHz PREAMPLIFIER EXTRA-2  2016/04/07


160406


ハンガリーのHA8ET Gyulaさんが作っている2mのプリアンプです。このAMPはヨーロッパのEMEでも使われているダイナミックレンジの広いAmpだそうです。1台1万円と買いやすいお値段です。注文から10日ほどで国際郵便で届きました。詳しくはこちら。
ディバイスはAvago Technologies’ ATF-53189 is a high linearity, medium power, low noise E-pHEMT FETを使用出力側には10dbのアッテネーターが入っています。
現在EME用に使用中(2016-2017)左はフルスパン1.5Gまで。

ATF-53189 E-pHEMT FET Specifications
2 GHz, 4.0V, 135 mA (Typ.)
• 40.0 dBm Output IP3
• 23.0 dBm Output Power at 1dB gain compression
• 0.85 dB Noise Figure
• 15.5 dB Gain

8. BPF+PreAmp 2017/02/18



PGA103+のPreに先日作ったBPFをIN側につないだ場合とOUT側につないだ場合のデータを取ってみました。なぜかイン側の方がGainが2db程度多いようです。(144.12Mhz TG Out -20dbm)
SMAのオスからBNCのオスに変換するコネクターがなくNに変換してからと4個もつないでしまいました。

9. BPF+PreAm#2 2017/02/19



PGA103+を使った広帯域のPreAmpを作り先日の3段のBPFをつなぎロスを見て見ましたがほとんどありません。今回のPreは出力側に3dbのATTを入れました、Gainは2mで19dbぐらいです。(左がBPFなし右がBPFあり)
今回は基板をケースに合わせて作りケースとのアースは卵ラグ6か所でハンダ付けしました、基板の裏側とは1mmのドリルで多数穴あけしメッキ線で切らずに縫うようにしハンダで止めました、スルーホールが出来ませんので良い方法だと思います。
このAmpはスペアナの入力増幅用に使用予定です。

10. 2m自作Pre AMP(PGA103+)#2   2017/02/26



ほぼ「PGA103+」を使った2mプリアンプの実験は終わりです。最後に作ったのは入力側に2段の同調回路を入れたタイプです、出力側には3dbのATTを入れました。Gainは20db、PGA103+への電流を60mA,90mAとかえGainの変化を見ましたが同じでした。先日のBPFをPreの前に付けた場合と後ろに付けた場合のGainは前の方がGainが高かったように同じ結果がでました。帯域や減衰特性などはほとんど同じです。
問題はNFがどうかですが測定器がありませんので耳がたよりです・・・・・出力側に2段の同調回路を入れたTypeを現在使用中ですが混変調に弱いようですがもう少し様子を見ます。

参考に2段の同調回路を出力側に入れたデータです下記。GainはATTを含めると今回の方が4db高い。

11. 3段BPF+2段BPF付PreAmp  2017/02/27



昨日のPreに3段のBPFを付けたらどうなる?やってみましたざっと調整した結果です。単体で調整出来ていても合わせると同調点などがズレます、上の50Mスパンを見ますと密結合のところがあります、Lossは中心周波数では1db以下になっているようです。
結論ですが入力側のBPFはアンテナが50オームに調整されていないと特性がスペアナで調整したようにはなりません、崩れます。それを考えると入力側はBPFを入れず出力側に入れた方が良いのですが混変調の問題などが出てきます。